◉バブル崩壊後のマンション開発の新たな方向性を示すため、業界のトップランナー達の共感の中でまちやは生まれました。
デザインショップまちやは1996年6月11日。主として不動産広告の企画・制作を行っていた株式会社デザインショップ121からの暖簾分けのような形でこの世に生まれました。きっかけは1993年に東村山市に計画された740戸の大規模マンションプロジェクト。バブル崩壊によって一旦は市場から姿を消した大規模マンションでしたが、程なく大企業の社宅やグラウンドなどが売却されはじめ、そこに大規模マンションが建設されることになりました。とはいえ、バブル崩壊で大規模マンションの付加価値づけの象徴であった豪華な共用施設への評価は急落。ある意味開発の方向性を見失っていた時代。デザインショップ121の商品企画スタッフとしてプロジェクトに関わった私たちは、原点に戻って集まって暮らすことの魅力を真摯に探し出すことにしました。
マンションをひとつの街と見立て、「仮の住まいから終の住まいへ」「時を経るごとに輝きを増す街へ」「大人のソサイエティのある街を」という街づくりコンセプトの立案、使い方を具体的に想定したコモンスペースデザイン、入居後のコミュニティ形成支援活動を一体として受注し、それまでになかったソフトデザインとハードデザインが融合した街づくりを提案しました。その企画はプロジェクトに参画していたディベロッパー、設計事務所、広告代理店など多くの関係者に共感をいただき日本初のコミュニティー形成支援プログラムを搭載したマンションプロジェクトが具体化に向けて動き出しました。
◉明治神宮の裏手に事務所を構え、アートギャラリーの運営も。
当時のまちやは社長30歳前半・所員20歳代女子4〜5人。信念と勢いと真面目さだけがとりえの事務所。心の中は不安だらけ。そんな先の見えない日々を優しく包んでくれたのがまちや開設以来、長く事務所を構えてきた東京のオアシスともいえる明治神宮のある代々木の地。徹夜を繰り返す毎日の生活の中で、明治神宮の森が癒やしと活力を与え続けてくれました。
2006〜2008年にはアートギャラリー「アートガーデンMACHIYA・北参道」を運営。マンションの仕事で知り合ったアーティストたちと作品展示、ワークショップ、ライブなどを開催。第一線で活躍するミュージシャン達とCDをリリースするなど、マンション以外のフィールドでもその幅広いネットワークを生かし精力的に活動してきました。
◉そして「都市」と「自然」の新たな関係式を見出すために、南房総に活動フィールドを拡大。
そうした活動を通して、魅力ある都市生活をおくる上で現在最も欠けている要素は、都市生活者と自然との関係性なのではないか、という考えに思い至ります。2008年、旧知のアーティストが多く暮らす房総半島の鴨川市金束に約7000坪の里山と100坪のログハウス を購入。「アートガーデン・コヅカ・森の家」と命名しました。アクアラインを渡れば1時間で到着するという場所ながら自然がいっぱい残されたこの地で、地元の方々と一緒に里山の保全活動を行いつつ、人と自然をつなぐ活動を行ってきました。
そして、2020年。まちやはメインオフィスを「アートガーデン・コヅカ」に移転。生活と自然の関係の重要性に目覚めた人々へ、自然との接点を提供しつつ、これからの時代のライフスタイルを森から都市へ発信していきたいと思います。
なお、まちやが慣れ親しんだ代々木にはミーティング用オフィスがありますので、東京でお会いすることも何ら問題はありません。お気軽にお声掛けください。